2013.11.25
香川県の弁護士事情~その1では、最近弁護士数が急増していて特に若い弁護士が増えていることを紹介しました。今回、あらためて香川県弁護士会に所属する会員(弁護士)の年齢構成を調べてみると、次のようになっていました(11月25日現在)。
80歳代以上 8人(約 5%)
70歳代 15人(約10%)
60歳代 29人(約19%)
50歳代 16人(約10%)
40歳代 22人(約14%)
30歳代 51人(約33%)
20歳代 12人(約 8%)
このように30歳代以下の弁護士が63人と全体の4割以上を占めていることがわかります。今後も毎年新たに入会してくる新人弁護士は30歳前後の人が多いでしょうから、この傾向はますます強くなるものと思われます。また、60歳代の弁護士も29人と2割弱を占めていました。ここはいわゆる団塊の世代にあたり、弁護士数も多くなっているようです。
また、この機会に、香川県の弁護士の事務所所在地を調べてみると、次のようになっていました(11月25日現在)。
高松市 124人(約81%)
丸亀市 23人(約15%)
観音寺市 3人(約 2%)
さぬき市 1人(約0.6%)
坂出市 1人(約0.6%)
善通寺市 1人(約0.6%)
このように香川県内の弁護士の8割以上が高松市に事務所を置いていることがわかります。弁護士の仕事の舞台となる裁判所(地方裁判所、家庭裁判所)は、高松の本庁のほか、丸亀と観音寺にも支部があるのですが、丸亀市と観音寺市の弁護士数は、全体の2割にも満たない状況です。香川県は、面積が日本一狭い県であるうえ、高速道路等の道路がよく整備されているという交通事情もあり、県下全域から高松の法律事務所にご相談に来られているということでしょうか。弁護士が市民の皆様のニーズに応えていくという観点からは、弁護士へのアクセスはできるだけ容易である必要があり、そのためには気軽に相談できる電話相談体制なども構築していかなければならないと思うところです。
2013.11.08
神戸で開催された弁護士業務改革シンポジウムに参加してきました。今年の業革シンポは分科会が7つも用意されていました。第1分科会「地方自治の課題と弁護士の役割~実践例と今後の役割」、第2分科会「スポーツ基本法と弁護士の役割~体罰・セクハラ・スポーツ事故の防止 グッドガバナンスのために」、第3分科会「フェイスブックなどSNSと弁護士の関わりと情報漏えい対策」、第4分科会「弁護士紹介制度の現状と未来を考える」、第5分科会「弁護士保険制度の充実と安定した制度運営のために」、第6分科会「高齢社会における民事信託の積極的活用」、第7分科会「弁護士による中小企業の海外展開支援」の7つです。
現代の弁護士業務を考えるうえでどれも興味深く大変迷いましたが、私は弁護士紹介制度をテーマとした第4分科会に参加しました。弁護士の仕事が市民のニーズにこたえられているかという観点からすると、まだまだ弁護士は敷居が高いところがあり、市民からのアクセス障害があるのではないかと思っていたからです。シンポでは、インターネットを利用した弁護士紹介制度や法律事務の業としての周旋を禁じた弁護士法72条との関係などについての報告やパネルディスカッションが行われ、現状と課題についての認識を新たにすることができました。
私としては、このブログを通じて、弁護士業務などの情報発信を続けていきたいと思います。
2013.11.01
「事例に学ぶ 離婚事件入門」(民事法研究会発行)という本を読みました。10人の弁護士の共著となっていました。
この本は、離婚原因や慰謝料、財産分与、親権、面会交流、DV、婚約解消等が争点となった12のケースを設定し、依頼者が弁護士に相談する場面から、弁護士委任、交渉、調停、裁判と進む過程について、依頼者と弁護士との具体的やり取りを掲げながら解説を加えたものです。申立書などの書式も豊富で、経験の少ない若手弁護士にはもってこいの本といえますが、依頼者と弁護士との会話が中心に進むので、一般の方にも小説のように面白く読めると思います。
一般の方に興味があると思われる離婚慰謝料や財産分与の相場も書かれており、また弁護士の具体的な仕事の内容を垣間見ることもできます。
定価は2,800円(税別)となっていました。普通の本屋さんには置いてないかもしれませんが、ネットで検索すればヒットするはずです。現実に離婚を考えている方にお勧めできる一冊です。