2014.02.28
「労務管理における労働法上のグレーゾーンとその対応」(野口大著、日本法令発行)という本を読みました。
著者は平成5年に弁護士登録した弁護士で、はしがきによると、今後人事・労務トラブルは激増するとしたうえで、企業経営者は人事・労務を企業活動のリスクのひとつとして意識し、トラブルが発生しないような入念な対策を講ずる必要があると説いています。そして、人事・労務の紛争のうち、いわゆるグレーゾーンとして解釈や判断が必ずしも容易ではない「休職社員の復職」「問題社員(能力不足・反抗的等)への対応」「偽装請負」「労働条件の不利益変更」等の12の問題を取り上げ、判例や通達を整理するとともに、経営側・企業側の立場から具体的な対応方法を示しています。
単に判例や学説を解説するにとどまらず、弁護士の企業秘密ともいえる具体的な対処方法まで明らかにしている点で、類書にはないものになっていると思います。
労務管理の担当者には、非常に実践的な本といえますが、労働者側にとっても、敵の手の内を知るという意味で、大変参考になるのではないでしょうか。