2014.09.30
松山地方裁判所には、松山本庁のほか、大洲支部、西条支部、今治支部、宇和島支部の4つの支部があります。西条支部は、地理的に香川県に近いこともあって、他の支部に比べると、香川県の弁護士もよく利用する裁判所といえます。
この裁判所がお堀に面し、ロケーション的に素晴らしいことは、以前にこのブログに書いたとおりです。
もう1つ、西条支部が特徴的なのは、法廷のあるフロアーです。裁判所の入り口付近に法廷の案内板があるのですが、そこには「地裁○号法廷 3階半」と書いてあります。「半」とは何ぞや? 誰もがそう思うのではないでしょうか。階段を上っていくと、3階と4階の間に中2階のようなフロアーがあって、そこに地裁の法廷が2つ設けられています。これにはびっくり。こんな法廷は全国的にも珍しいと思います。
西条支部は既に耐震改修工事も終わっているので、安易に建て替えをせずに、是非この貴重な建物を守っていってもらいたいと思うところです。
2014.09.22
東京で開催された監査役セミナーに出席して来ました。日程の都合で、「ガバナンス・コンプライアンスに関する最近の諸問題への対応」というプログラムのみの受講となりました。
セミナーでは、金融庁の今事務年度の金融モニタリング基本方針や反社勢力排除、大口信用供与等規制の見直し等に関する講義の後、反社勢力排除についての設例をもとに共同討議が行われました。ポイントを突いた大変わかりやすいセミナーだったと思います。
帰りに、飛行機の待ち時間を利用して、京橋のブリジストン美術館に立ち寄ってみました。「絵画の時間」と題する時間を切り口とした作品展示を行っていました。なかなか面白い企画でしたが、私の心にグイグイ迫ってきたのは、クロード・モネの「黄昏、ヴェネツィア」とジョルジュ・ルオーの「郊外のキリスト」の2作品でした。黄昏の明るさとルオーの暗さ。この両者の明と暗の対比というか、別に対比しているわけではないのですが、私の心には2つがセットになって妙に印象に残りました。
今年の夏は、今回のブリジストン美術館のほか、六本木の国立新美術館で「オルセー美術館展」を、上野の東京国立博物館で「台北国立故宮博物院展」を観る機会に恵まれました。いずれも素晴らしいもので、文化面での東京と地方との著しい格差を改めて感じたところです。
2014.09.02
残念ながら事件のために訪れたものではなく、今年の夏のゴルフ遠征の際に、立ち寄ったものです。高松地裁同様、ここでも耐震改修工事が行われていました。
さて、札幌地裁にほど近い大通公園の中に、旧札幌控訴院の建物がありました。大日本帝国憲法下の司法制度における第二審の裁判所です。資料によると、戦後も20年以上にわたり札幌高等裁判所として使用されていたとのことです。
今は札幌市資料館となっているのですが、正面玄関の上部には「院訴控幌札」と刻まれており、建物内の一角には当時の刑事法廷が復元されていました。法廷には審理スペースと傍聴席を隔てるバーが設けられていますが、バーの内側(審理スペース側)に新聞記者席が設けられていたのには驚きました。それなりの時代背景があったのでしょう。
高松も全国に8ヶ所ある高等裁判所所在地の一つであり、かつては高松控訴院があったのですが、その建物は現存していません。札幌控訴院のような文化的にも貴重な建物が残っていることは素晴らしいことであり、これを保存保全していくことは現代に生きる我々の責務のように思うところです。
写真は、左が札幌地方裁判所、右が旧札幌控訴院です。