2014.12.17
高松市が弁護士資格を有する任期付職員を募集しています。昨年の不正開票事件などの不祥事の多発を受けて、その対策の一環として弁護士資格を有する職員を任期付で採用することにしたようです。
募集要項によると、2年以上の弁護士経験を有する55歳以下の弁護士を3年間の任期付きで1名程度採用し、コンプライアンス推進に関する施策の立案・実施や職員からの法令解釈等の相談に応じる等の職務を行うものとされています。
しかし、この募集に応じる弁護士がいるかどうかについては、なかなか難しい問題があります。市の職員に採用されると、当然のことながら公務に専念しなければならず、通常の弁護士業務が行えなくなります。そうすると3年間の任期中、弁護士事務所は借りたままにしておくのか、いったん解約するのか、リース中の物件はどうするのか、雇用している事務職員の処遇は?など、応募へのハードルはかなり高いものがあります。
イソ弁(勤務弁護士)が独立する前に任期付職員を経験しておくというのであれば、1つの選択肢としてありうるかもしれませんが、まだ十分な実務経験がない中で3年間も弁護士実務から離れてしまうのは、やはり躊躇があると思います。
例えば、非常勤裁判官のように、週に1日だけ非常勤職員として勤務し、あとは弁護士業務が行えるようにするなどのハードルを低くする手当てが必要なように思うところです。