2015.07.17
私は、昭和62年と63年の2年間を司法修習生として過ごしました。
司法試験に最終合格した昭和61年の11月から修習が開始する翌年4月までの間には、長年の受験生活で疲弊した心身を十分に癒し、また受験予備校などで効率のいいアルバイトをして余裕資金を作ることもできました。
司法修習は、当時湯島にあった司法研修所で4ヶ月間の前期修習を行った後、実務修習地(私の場合は高松)で、検察庁、法律事務所、裁判所民事部、裁判所刑事部で4ヶ月ずつ(合計16ヶ月)の実務修習を行い、再び司法研修所に戻って4ヶ月間の後期修習を行いました。そして、司法修習生の間は公務員に準じた給料がもらえました。
ところが、現在は制度が大きく変わりました。まず、秋に司法試験に合格するといきなりその年の12月から司法修習が始まります。合格の余韻に浸る時間もありません。また、司法修習の期間が半分の1年間に短縮されました。これでは絶対的に時間が不足し、受験レベルの机上の理論と実務との橋渡しがほとんどできないように思います。そして、何より厳しいのは給料がもらえなくなったということです(生活費分を貸してはくれるようですが)。
結局、司法試験の合格者を増やしすぎたので、予算の関係で、給料も払えないし、まともな修習もできないということだと思います。
合格水準を下げてまでも毎年2000人もの合格者を出す必要はなく、水準に達した者のみを合格させ、そのかわり合格者にはきちんと給料も払い、十分な司法修習もさせてほしいと思うところです。