2015.09.09
日本弁護士連合会では、毎年「弁護士白書」を発行しており、そこには弁護士等の実勢や活動状況等が詳細に記載されています。その「弁護士等の実勢」の頁をみると、都道府県別の弁護士1人あたりの人口、事件数、県内総生産額等の統計などの掲載もありました。
2014年版の弁護士白書によると、香川県の弁護士1人あたりの民事事件数(地裁通常訴訟)は、全国で第47位とされていました。香川県より下位は、48位が札幌、49位が大阪、最下位が東京三会となっていましたが、いずれも大都市の特殊性を反映したものと考えられますので、実質的には香川県が全国一「弁護士1人あたりの民事事件数」が少ない県ということになると思います。ちなみに、全国1位は茨城県で、香川県は茨城県の半数程度の事件数となっていました。
弁護士1人あたりの家事事件数(家事調停)をみても、香川県は全国34位と下位にランクされていました。四国の他県と比較しても、愛媛は18位、高知は28位、徳島は29位となっていましたから、香川県の弁護士1人あたりの家事事件数の少なさも否めないところです。
もちろん、弁護士の仕事は民事家事事件に限られるわけはなく、刑事事件を始めとするそれ以外の裁判所での事件処理も少なくありませんし、弁護士は裁判所以外でも交渉や文書作成などの様々な業務を行っています。しかし、それにしても全国レベルで見て香川県の「弁護士1人あたりの民事家事事件数」が相当程度に少ないということは、即ち香川県の弁護士数が多い(=弁護士過剰)ということを物語っているのではないかと思います。
興味のある方は、弁護士白書2014年版(日本弁護士連合会編著、定価:1905円+税)をご覧ください。