2016.04.25
日弁連が主催して大阪弁護士会館で開催された「コーポレートガバナンス・コードの今後の運用と社外取締役の有効活用―『社外取締役ガイドライン』を使った課題と活動―」と題する公開講座を受講しました。
これもいつもの日弁連のライブ研修と同様、香川県弁護士会館において講座のライブ中継を視聴したものです。大阪までの移動時間や旅費がいならいことを考えると、本当に便利な世の中になったものです。
講座では、八城政基氏(元新生銀行取締役会長、元エッソ石油取締役社長)と静正樹氏(東京証券取引所取締役専務執行役員)による基調講演が行われた後、「企業の持続的成長と価値向上の観点から考える社外取締役の活用」をテーマにパネルディスカッションが行われました。
あっという間の3時間で、日弁連作成の社外取締役ガイドラインを読み直す契機にもなり、大変有意義な講座だったと思います。
さて、最近、三菱自動車の燃費データ偽装問題が毎日のように報道されていますので、この機会に同社の社外役員の状況を調べてみました。
同社のウェブサイトによると、4人の社外取締役と3人の社外監査役の合計7人の社外役員がいることがわかりました。ただ、社外取締役といってもうち4人のうち3人は三菱グループ出身者でした。また、社外監査役には弁護士が1人含まれていましたが、平成27年6月に選任されたばかりでした。これでは、取締役会で不正を問題にすることもできなかったのでしょうね。
私としても、社外取締役としての責任の重大性をあらためで認識させられた事件でした。
2016.04.09
高松市美術館がリニュールオープンしました。オープン後間もない3月の終わり頃、早速観てきました。
写真にある新しいシンボルマークですが、Takamatsu Art Museumの頭文字をとったもので、Tがシンボルタワーを、AとMが瀬戸内の島々の景観を表しているとのことです。なかなかおしゃれでいいですね。
オープン記念の特別展は、いま知りたい、私たちの「現代アート」と題するコレクション展でした。私はもともと現代アートはちょっと苦手で、よくわかないものも多かったのですが、瀬戸内国際芸術祭で少しずつ鍛えられたのか、なんとなく面白さがわかるようになってきました。今回、私の心にぶるっときたのは、高松次郎「影の圧搾」、速水史朗「オバケ」、関根伸夫「位相No.4」の3作品でした。
今回の特別展、ロータリーの例会の帰りにぶらっと立ち寄ったので、あまり時間がなくて駆け足になってしまったのが残念でした。
2016.04.05
香川県の弁護士事情~その9(本庁と支部)では、香川県の弁護士1人あたりの人口を検証してみました。今回は、同じ観点から、香川県と四国の他の3県とを比較してみることにします。
日弁連のウェブサイトによると、平成28年4月1日現在の四国の弁護士数は、香川県が172名、徳島県が92名、高知県が88名、愛媛県が163名とされています。
また、統計資料によると、平成27年6月1日現在の人口は、香川県が約97万7千人、徳島県が約75万8千人、高知県が約73万2千人、愛媛県が約138万6千人とされています。
各県の人口をそれぞれの弁護士数で除して弁護士1人あたりの人口を計算すると、香川県の弁護士1人あたりの人口が5680人であるのに対し、徳島県は8239人、高知県は8318人、愛媛県は8503人となり、他の3県の方が弁護士1人あたりの人口が約5割増しになっていることがわかります。
このように、香川県は、四国内でも突出した弁護士過剰県といえるのではないかと思います。ただ、弁護士の数が多いということは、県民にとっては弁護士へのアクセスが容易であるということを意味しますから、県民生活を向上させる一要素としては貢献できているのかもしれません。