2016.12.26
国立西洋美術館で「クラーナハ展」を観てきました。国立西洋美術館はコルビュジエの建築作品の一つとして今年の7月に世界遺産に登録されたことから、それ以降来館者が大幅に増加していると聞いていたのですが、モネ展の時のような混雑はなく、比較的ストレスなく鑑賞することができました。
クラーナハはドイツ・ルネサンスを代表する画家ですが、それにとどまらず絵画を大量生産するなど実業家でもあり、また市長までも務めたといいます。また、マルティン・ルターの肖像画を描くなど宗教改革とも深いかかわりを持ったとされています。
今回の特別展で、弁護士という立場から興味深かったのは、「正義の寓意」の作品でした。女性が剣(力の象徴)と天秤(公平の象徴)を持っているのですが、その女性が何とネイキッドなのです。剣と天秤といえばギリシャ神話の女神テミスであり、法律事務所などにもテミス像がよく飾られていますから、裸との取り合わせはちょっと衝撃でした。「正義の寓意」の絵画コンペ企画(「正義の寓意」の模写が60ほど並んでいる)も壮観で非常に面白かったです。
とにかく時間が足りずに、特に常設展が駆け足になってしまったのは非常に残念でした。