2017.05.23
日弁連のライブ実務研修として「民事信託の実務」を受講しました。民事信託は、財産管理や財産承継を行うスキームの一つとして、近時非常に注目されているものです。
研修では、民事信託の活用例やその際の留意点等に加え、①高齢者の財産保護、②親亡き後の問題、③後継ぎ遺贈型の受益者連続信託の3つのケースについて、具体的な信託契約書の条項を示した詳細な解説がなされました。
弁護士は、依頼により契約書を作成するなどして報酬を得ているわけであり、このような企業秘密に属するようなものを簡単に公にしていいのかと思うくらいでした。
この民事信託ですが、来るべき高齢化社会において、後見制度に代わる財産管理や遺言に代わる財産承継等のスキームとして広く活用されることになると思われます。
2017.05.19
広島県立美術館で英国ウェールズ国立美術館所蔵「ターナーからモネへ」展を観てきました。
まず、この美術館で特筆すべきは、その立地です。国の名勝にも指定されている縮景園に隣接しているので、美術館からの連絡通路もあり、ガラス張りになっている美術館の展望室や2階ロビーからは庭園を見渡すことができます。高松でいえば、栗林公園の隣に県立ミュージーアムがあるようなものです。
また、来館する子どもたちのために、絵の見方などの簡単な解説を用意しているのも、非常に良いことだと思いました(実際は、大人も参考になります。)。
さて、今回の特別展ですが、モネが印象派としての作風を確立する前に、ターナー(英国)の風景作品に感銘を受けたというエピソードからのコンセプトのようです。
展示の中に「弁護士と依頼人」という作品があったのは、非常に興味深かったです。また、私の心にぶるっときたのは、「鍛冶場」という作品でした。逆光の写真のような圧倒的暗さの作業場の中でただ1か所だけ光る高温に熱せられた鉄の存在はすごく印象的でした。
また、東京のブリジストン美術館で観たモネの「黄昏」を再び出会えたのも感動的でした。
今回の写真は、撮影コーナーのモネの作品をアップしておきます。
2017.05.08
4月から平成29年度が始まり、今年度は滝口弁護士が香川県弁護士会の会長を務めています。
私は、7人の司法修習生の弁護修習の指導担当を務めたのですが、滝口弁護士はその中の1人であり、また地元に残ったのが彼だけであったこともあり、滝口執行部を全面的に応援しています。
さて、弁護士会の会長は、選挙になるならないは別として、基本的には修習期の古い順に就任していく形となります。修習期が古いということは弁護士経験も長いということを意味しますから、これはある意味当然のことともいえます。それゆえ、弁護士数の少ない小規模な弁護士会ほど、(人材がいないことから)若い修習期の会長が誕生することになります。
ところで、滝口会長は司法修習56期です。そして、香川県弁護士会の弁護士数は175人です(平成29年4月現在)。これを四国の他県と比較してみると、愛媛弁護士会(166人)の会長は50期、徳島弁護士会(96人)の会長は51期、高知弁護士会(89人)の会長は58期となっています。ちなみに、対岸の岡山県弁護士会(397人)の会長は43期です。
このように見てくると、香川県弁護士会は弁護士数の割に会長の修習期が若いということになります。裏を返せば、香川県では会長になりたがらない弁護士が多いということになるのでしょうか。