2017.07.03
東京都美術館でブリューゲルの「バベルの塔」展を観てきました。
ブリューゲルの「バベルの塔」には、大バベルと小バベルがあり、今回来日しているのは小バベルの方です。小バベルの方が後から描かれたもので、塔の建設工事も更に進んでいて、高層部ではなお工事が続けられている一方、低層部には教会があったり、洗濯物が干されたりしていて、既に人々の居住が始まっています。
この塔の高さについては、塔の向こうに見える水平線や浮かぶ雲との位置関係から、それなりに巨大なものであることは想像できますが、人間の大きさを170㎝として換算すると、何と500mを超えるとのことで、スカイツリーまではいかないものの東京タワーよりははるかに高いもののようです。
もうひとつ驚くのが、この小さな絵の中に1400人もの人が描き込まれているということです。その精緻さは想像を絶します。解説によると、原画を300%に拡大しても十分鑑賞に値するとされていました。
残念だったのは、一列になって歩きながらの鑑賞を余儀なくされたことです(そういえば、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」のときもそうでした。)。通路の後ろ側からは立ち止まって鑑賞できるのですが、そこからでは細かい部分がわからないのです。大混雑の故にやむを得ないとはいえ、もう少しゆっくり観たいと誰もが思ったのではないでしょうか。