2019.04.26
鹿児島地方裁判所に立ち寄って驚いたのが、庁舎壁面の広告です。広告といっても「裁判は、あなたとともに変わります。 裁判員制度」というもので、裁判員制度の広報の一環なのでしょうが、他の裁判所で裁判員制度を告知する垂れ幕のようなものは見たことがあるものの、庁舎壁面のペインティングを見たのは初めてです。
素晴らしいと思ったのは、(たぶん城山あたりから撮影したであろう)鹿児島市街と桜島の写真という地域色豊かな素材を使い、ある程度の大きさを確保できる壁面ペイント(そう簡単には消せない)という手法を利用したところです。
元エリート裁判官が裁判所組織を上命下服・上意下達のヒエラルヒーと糾弾し(瀬木比呂志著「絶望の裁判所」等)、また裁判の形骸化、形式化が叫ばれている昨今ですが、地方の裁判所が例えば庁舎管理権についても独自色を発揮できるような状況であれば、裁判もそんなに捨てたものではないといえるようになるのではないでしょうか。