2019.04.26
鹿児島地方裁判所に立ち寄って驚いたのが、庁舎壁面の広告です。広告といっても「裁判は、あなたとともに変わります。 裁判員制度」というもので、裁判員制度の広報の一環なのでしょうが、他の裁判所で裁判員制度を告知する垂れ幕のようなものは見たことがあるものの、庁舎壁面のペインティングを見たのは初めてです。
素晴らしいと思ったのは、(たぶん城山あたりから撮影したであろう)鹿児島市街と桜島の写真という地域色豊かな素材を使い、ある程度の大きさを確保できる壁面ペイント(そう簡単には消せない)という手法を利用したところです。
元エリート裁判官が裁判所組織を上命下服・上意下達のヒエラルヒーと糾弾し(瀬木比呂志著「絶望の裁判所」等)、また裁判の形骸化、形式化が叫ばれている昨今ですが、地方の裁判所が例えば庁舎管理権についても独自色を発揮できるような状況であれば、裁判もそんなに捨てたものではないといえるようになるのではないでしょうか。
2018.12.11
丸亀の裁判所の新庁舎が完成し、執務が始まって半年が経過しました。新庁舎の正面玄関を入ると、広々としたエレベータホールがあり、ぜいたくな間取りになっているように思います。
私もこれまで何度も新庁舎の法廷で口頭弁論などをしてきましたが、一度もエレベーターに乗ったことはありません。そもそも3階建ての庁舎なので、2階や3階へ行くのは階段で十分であり、エレベーターに乗る必要を感じないのです。
高松の本庁では、省エネを意識してか、不必要と思われる電灯をすべて消して、昼間でも薄暗い庁舎内となっていますが、そんなところで節約するのなら、大きく電力を消費するエレベーターの使用について何らかの工夫があってしかるべきではないかという気がしています。もちろん、裁判所を利用する一般市民の利便性も十分考慮する必要はありますが…。
2018.07.31
鳴門簡易裁判所の正門の前には「民事手続案内いたします(無料・秘密厳守)」と書かれた年代物の看板があります。裁判所というと、一般市民にとっては少し敷居が高い存在ですが、この看板があることにより、手続の案内をしてもらえる、費用は掛からない、秘密も守られる、建物の中に入ってもかまわない、ということがわかり、少しは裁判所が身近に感じられるのではないでしょうか。
ただ、現在香川県でこのような看板は見たことがありません。昔は普通にあったものが、庁舎改修時になくなっていったのでしょうか。それとも徳島という地域性によるものでしょうか。
珍しい看板が残っている裁判所ということで、鳴門簡裁をご紹介します。川沿いにあって、岡崎城の天守閣も見えて、ロケーション的にもいいところですよ。
2018.06.26
2018.03.28
簡易裁判所は、市民に最も身近な裁判所で、比較的軽微な民事・刑事事件と民事調停事件を取り扱っています。
民事訴訟事件でいえば、簡易裁判所と地方裁判所の振り分けは、請求額が140万円以下か、140万円を超えるか、ということになっています。ただ、民事調停事件は簡易裁判所が取り扱いますので、何千万円の請求であろうが、調停の申立ては簡易裁判所の行うことになります。
香川県内の簡易裁判所は、高松簡易裁判所、土庄簡易裁判所、丸亀簡易裁判所、善通寺簡易裁判所、観音寺簡易裁判所の五つです。善通寺簡易裁判所の管轄区域は、善通寺市、琴平町、まんのう町です。小豆島は別として、西讃に三つの簡易裁判所がありながら、東讃には高松にしか裁判所がないというのは、市民のアクセスの観点から、ちょっとバランスが悪いような気がします。
2018.03.09
私が弁護士になったころは脇町支部という名前でしたが、町村合併による美馬市の誕生に伴い美馬支部となりました。美しい馬と書いて「美馬」、英語ではビユーティフルホース、いい響きの美しい名前ですね。
この裁判所は、有名なうだつの町並みの近くにあり、昔ながらの町並みなので、道が狭く、車で曲がる場所を間違ってしまって、次の交差点で曲がろうとすると、道の狭さに困惑したりします。まるで昭和の田舎町にタイムスリップしたようで、非日常感を味わえます。
さて、先日、この美馬支部で口頭弁論をしてきました。というか、第1回口頭弁論期日に、弁論に引き続き裁判上の和解を成立させることができました。当事者双方にとってメリットがあり、かつ迅速な解決を図ることができたのではないかと思っています。
2018.01.19
津地方裁判所伊勢支部は、三重県伊勢市にあります。伊勢神宮の外宮の方のまさに目と鼻の先の場所にありました。
ご覧のとおり、玄関側がガラス張りとなっており、そのガラスに爽やかな青空が映って、本当にすがすがしい気分になります。裁判所に来て、気分がいいというのは、非常に大切なことではないでしょうか。
裁判所のウェブサイトによると、三重県内の裁判所は、桑名、四日市、鈴鹿、津、尾鷲、熊野が南北にほぼ一直線上にあり、これと十字を切るように、伊賀、松阪、伊勢が東西に一直線上にあり、あたかも鳥をイメージした星座のように並んでいるとのことです。これまた、非常にユニークで面白いですね。
この機会に、弁護士数も調べてみると、三重県が190人、香川県が175人とほぼ同規模の弁護士会であることがわかりました。ただ、県民人口を見ると、三重県が約180万人なのに対し香川県は100万人弱ですから、香川県の方がかなりの弁護士過剰県ということになりましょうか。
2017.12.08
徳島地方裁判所は、建替工事のためプレハブの仮庁舎が使用されていましたが、今般、新庁舎が完成しました。従前の3階建から、写真のように6階建の立派に姿に生まれ変わり、新庁舎での執務が開始されています。たて格子の部分が私の事務所にちょっと似ていますね。
新庁舎の中に入ると、建物、什器備品のすべてがピカピカで、非常に爽やかな気分になります。また、弁護士控室にはモネの「睡蓮」などの絵画もあり(これは弁護士会がかけたのでしょうが)、素晴らしいと思いました。
私が弁護士になった頃は、徳島地裁への出頭はもっぱら特急列車を利用していましたが、今では高速道路の伸長・整備により、車の方が何かと便利な時代になりました。ただ、高速道路の対面通行は安全面から問題があり、これを解消する工事を早く終えてほしいと思うところです。
2017.09.15
山口地方裁判所には、山口市の本庁のほか、下関支部、周南支部、宇部支部、岩国支部、萩支部の5つの支部があります。
山口県弁護士会も、支部に対応する形で、山口地区、下関地区、周南地区、宇部地区、岩国地区、萩・長門地区に分かれています。山口県弁護士会のウェブサイトによると、各地区の弁護士数は、山口地区が64人、下関地区が43人、周南地区が29人、宇部地区が16人、岩国地区が16人、萩・長門地区が4人とされています。
山口県弁護士会も香川県弁護士会も170人程度の同規模の弁護士会なのですが、高松市に8割の弁護士が集中している香川県と違って、山口県では県内にそれなりに弁護士が分散していることがわかります。
やはり裁判所支部の存在は重要で、支部の統廃合には慎重でなければならないと思うところです。
2017.06.15
京都地方裁判所では1回だけ口頭弁論を行ったことがあります。かっての過払金返還請求訴訟の華やかかりしころ、過払金の返還を求めて京都地裁まで赴きました。勝訴することがわかっているので、何度も京都まで足を運ぶこともなく、早々に勝訴的和解で解決することができました。
今から振り返ると、いわゆるグレーゾーン金利を違法と認定した平成18年1月のたったひとつの最高裁判決が、その後の膨大な数の過払金返還請求訴訟を生み出し、大手消費者金融会社を次々と経営破綻に追い込んで行ったのであり、その意味では「裁判所の力」恐るべしです。
ただ、その裁判所とて、弁護士がそのような請求や主張をしなければ、それを認容することもできないわけですから、あらためて弁護士の仕事の重要性を思うところです。
2017.03.21
残念ながら、横浜地方裁判所の法廷にはまだ立ったことがありません。
私は、司法修習生の時の実務修習地が高松だったこともあり、そのまま高松で弁護士をしているのですが、修習地の希望は8つまで出すことができ、実はその中の一つに横浜も書きました。もし、横浜で修習をしていれば、私の弁護士人生も大きく変わっていたかもしれません。
ところで、平成28年度の神奈川県弁護士会(横浜弁護士会から改名)の会長は、修習生時代に同じクラスだった三浦修弁護士が務めています。私も平成22年度に香川県弁護士会の会長をやりましたが、横浜弁護士会は規模が香川県弁護士会の約10倍もあり、おそらく熾烈な競争を勝ち抜いたのでしょう。
会長の任期もあと10日ほどとなりましたが、三浦会長、大変お疲れ様でした。30周年の行事でお会いできるのを楽しみにしています。
2017.03.13
徳島県を流れる吉野川は四国三郎といわれ、坂東太郎(利根川)、筑紫次郎(筑後川)を兄とする、日本三大暴れ川の一つとされています。この吉野川のほとりにあるのが吉野川簡易裁判所です。
この吉野川簡易裁判所へは民事調停を申し立てたことがあります。どうしてこのような遠方の裁判所に調停を申し立てるかというと、調停事件の裁判所の管轄が「相手方の住所地の裁判所」とされているからです。調停は、裁判所での話し合いにより紛争を解決する制度ですから、まずは相手方に裁判所まで出てきてもらわなければ話が始まりません。そこで、相手方の出頭の便宜を考慮して、相手方の住所地で調停を行うことになっているのです。
高松から吉野川簡易裁判所へ車で向かうと、吉野川を渡り、吉野川沿いの国道を走ることになりますから、これからの季節、気分爽快ですよ。
2017.02.02
岡山駅でマリンライナーから特急やくもに乗り換えて2時間半。高松からだと松江駅到着まで、乗り換え時間も含めて約4時間の長旅となります。この松江地方裁判所では口頭弁論を行ったことがあります。
写真は、私が裁判所に行っていたころのものですが、今では建替えにより新しい庁舎になっているようです。裁判所の公式ウェブサイトによると、新庁舎の外観は松江城などの周辺環境に調和するよう設計され、また内観も、裁判員裁判用の法廷の天井が宍道湖の波をイメージしたデザインになっている等の工夫がなされているとのことです。
この写真に写っている「裁判所」と彫られた巨石ですが、かなり年代物のように見受けられます。新庁舎では、どこに配置されたのでしょうか。確かめるために新庁舎でまた弁論をしたいと思うところです。
2017.01.20
2017.01.05
2016.10.31
平成28年4月に熊本地方を襲った地震は甚大な被害をもたらし、そのために避難を余儀なくされた方は約18万人にも及んだといいます。まずは、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
さて、熊本地方裁判所ですが、四国弁護士会連合会の常務理事として、九州弁護士会連合会の定期大会に出席した際に、立ち寄ったことがあります。熊本へ行くには、かっては博多駅で新幹線から特急つばめに乗り換えていたのですが、今では岡山で新幹線みずほに乗り換えると2時間半で到着しますので、便利になったものです。
この裁判所ですが、写真のように、古い庁舎の一部を残す形で利用しています。古いレンガ造りの庁舎は趣があるだけでなく、威厳も感じます。これは素晴らしいことですね。門を入るときに、守衛さんが明るく挨拶してくれたもの非常に好印象でした。
今は、一日も早い復興をお祈りするばかりです。
2016.10.12
てん書体というのでしょうか。実印や銀行印を彫ってもらう時に使うぐにゃぐにゃの書体で「裁判所」と書いてあります。これはかなりオシャレですね。また、この門塀を見てください。相当の年代物で文化的価値もありそうです。財田川に臨むロケーションも素晴らしいものがあります。高松地方裁判所観音寺支部、これにありです。
私は父親の転勤の関係で、小学校6年生から中学を卒業するまでの4年間を観音寺市で過ごしました。観音寺市立柞田小学校、観音寺市立中部中学校を卒業していますので、観音寺の裁判所に来ると、一種の郷愁を覚えます。碁盤目になっていない観音寺の独特の街並み同様、年代物の裁判所の門塀も是非守って行ってもらいたいと思うところです。
2016.09.29
松山家庭裁判所は松山地方裁判所からちょっと離れた場所にあります。松山地裁が大街道の目の前にあるのに対し、松山家裁は松山市駅寄りの南堀端のあたりにあります。ほとんどの裁判所では、地裁と家裁は同じ敷地内に隣接して建っていますので、これは全国的にも珍しい立地なのではないかと思います。
また、家庭裁判所と簡易裁判所が同一庁舎内にないのも珍しいと思います。家庭裁判所と簡易裁判所は、いずれも調停を行う裁判所として調停室や待合室などの建物の構造が共通することから、同一庁舎の中にフロアを異にして入っているのが一般的です。
おそらく、次に裁判所の庁舎を建て替える際には、家裁と簡裁は同じ新庁舎に入るのでしょう。
私は、松山地裁では、何度も口頭弁論や証人尋問を行ったことがありますが、松山家裁に代理人(家事事件の場合)や付添人(少年事件の場合)として赴いたことはありません。今の庁舎があるうちに、手続代理人として松山家裁を体験してみたいと思うところです。
2016.07.18
昔のことになりますが、「赤かぶ検事奮戦記」というテレビドラマがありました。和久俊三弁護士の原作で、私が見ていたころは、赤かぶ検事をフランキー堺が、その奥さんを春川ますみが演じていました。裁判所になど全く縁がなかった私は、検事と弁護士との法廷での丁々発止のやり取りを毎回興味深く見ていた記憶があります。
その舞台となった裁判所が岐阜地方裁判所高山支部だったと思います。山間部の古い街並みの中にある伝統と威厳を保った建物のイメージが強かったのですが、実際に行ってみると、ちょっとガッカリ感を拭えません。おそらくドラマのイメージが強すぎるのですね。
白川郷などを旅行した時に立ち寄っただけですが、是非実際にご依頼を受けて代理人か弁護人の立場でこの裁判所の法廷に立ちたいと思うところです。
2016.05.16
先日、今年の日弁連人権擁護大会を案内するパンフレットの配布がありました。人権擁護大会は、日弁連が毎年10月に開催している一大行事で、今年で59回目を迎えます。今年の開催地は福井市となっていました。
人権擁護大会といえば、高松市においても平成23年に開催されています。高松市での開催は32年ぶりでした。平成22年度に香川県弁護士会の会長を務めていた私は、同年度に開催されていた盛岡市における人権擁護大会を香川県の多くの弁護士とともに視察して開催のノウハウを学ぶとともに、高松市での本大会においては大会副議長を務めたことが懐かしく思い出されます。
さて、写真の福井地方裁判所ですが、残念ながら事件のために訪れたものではなく、福井市で開催されたミンボー大会(民事介入暴力対策協議会および大会)に出席した際に立ち寄ったものです。今はすっかり定着した裁判員制度の開始を周知する垂れ幕があることなどから、これが10年ほど前のことであることがわかります。
福井地方裁判所についても、高松地裁のような何の変哲もない箱型の建物ではなく、モダンな形をしているところを羨ましく思うところです。
2016.02.23
最近、ニュースやワイドショーなどでこの裁判所の映像が流れるのをよく見ます。そうです、あの“号泣県議”の公判に関する報道です。それにしても、あの傍聴希望者の長蛇の列には驚かされます。アルバイトの並び屋さんもたくさんいるのでしょうね。
さて、この神戸地方裁判所ですが、古い伝統ある建物の上に、ガラス張りの近代的な建物が乗っかったような外観をしており、裁判所庁舎自体が一つのアートになっています。港町神戸のイメージにもよくあっていると思います。中に入ると裁判所庁舎の図柄の下に「COURT KOBE」と刻印された記念スタンプまであり、まるで観光名所です。
私は、数年前、この裁判所に兵庫県所在の会社の自己破産を申し立てたことがあります。申立書は郵送で提出できますし、裁判所との打ち合わせも電話できますので、地元の裁判所でないことに特段の不便さは感じませんでした。ただ、債権者集会だけは毎回この裁判所に出頭しました。
現在、高松地方裁判所丸亀支部でも庁舎の建替え工事が始まっているのですが(実際は、もう新庁舎建物の設計も終わっているのでしょうが)、何の変哲もないただのハコのような庁舎にだけはなってほしくないと思うところです。
2015.08.17
集団的自衛権の行使は違憲、と憲法学者がこぞって主張する中、参議院で安保関連法案の審議がなされています。参議院は衆議院のコピーではなく、是非、独自性を発揮して、国民に分かりやすい形で、十分な議論を尽くしてほしいと思うところです。
さて、先日、広島県呉市の大和ミュージアムに行ってきました。山陽自動車道の高屋インターから呉までの無料の自動車専用道路が開通しており、広島を経由することなく、思いのほか早く到着できます。ミュージアム館内には、歴史的に貴重な様々な資料のほか、10分の1のスケールの戦艦大和や零戦、人間魚雷回天の実物などが展示されていました。零戦や人間魚雷に乗って片道切符で敵艦に突撃して行った若者のことを思うと、胸が熱くなります。「志願」という名の強制は絶対にあってはならないとの思いを新たにしました。
近くにある広島地方裁判所呉支部にも立ち寄ってみました。ツートンカラーのおしゃれなデザインで、微妙に色が違う凹凸のあるレンガ造りが非常にきれいに見えます。高松地裁の庁舎と比べると、残念ながら、負けたなと思ってしまいます。これから、高松地裁丸亀支部庁舎の建て替え工事が始まるのですが、アートで売り出している香川県にふさわしい裁判所にしてほしいと思うところです。
2015.07.10
西条簡易裁判所は、西条市役所の隣にある松山地方裁判所西条支部と同じ庁舎の中にあります。
ところで、愛媛県東予地方には、四国中央市に四国中央簡易裁判所が、新居浜市に新居浜簡易裁判所が、西条市に西条簡易裁判所が設けられています。ここでは各市内に裁判所があることになります。
これに対し、香川県の東讃地方を見ると、高松簡易裁判所が東讃地域全体の管轄裁判所とされており、さぬき市にも東かがわ市にも三木町にも裁判所はありません。かっては三木簡易裁判所があったのですが、裁判所の統廃合によりなくなってしまっています。
しかし、これでは例えば東かがわ市民も裁判所を利用するには高松まで出向いてこなければならないということになり、「市民に最も身近で利用しやすい裁判所」という簡易裁判所の役割が果たせていないように思います。
簡易裁判所は一つの市に一つは設置すべきであり、そのためには、例えば市役所の一角を借り受けて法廷にするとか、簡易裁判所のみを担当する裁判官を弁護士の中から積極的に登用するなどの工夫がなされてしかるべきと考えるところです。
2015.04.13
中国四国地方年金記録訂正審議会総会に出席するため広島に行ってきました。年金記録の訂正については、これまで総務省の所管で年金記録確認第三者委員会が手続を行っていましたが、平成27年3月から厚生労働省の所管で地方年金記録訂正審議会が諮問に対し答申を行うように制度が変わったことから、今般第1回の総会が開催されたものです。
総会会場である広島合同庁舎の会議室から外を見ると、ちょうど広島地方裁判所を見下ろす形となりました。ここには、広島高等裁判所、広島地方裁判所、広島簡易裁判所があります。ご覧のように増築を重ねており、古い建物部分については耐震改修工事が行われていますが、敷地も広く、かなり大きな裁判所になると思います。
私は、平成18年ころ、この広島高等裁判所で和解を成立させたことがあります。それ以降は、この裁判所での事件には関わっていませんが、高松からは2時間程度で裁判所まで来られますので、機会があれば(ご依頼があればという意味ですが)またこの裁判所の法廷に立ちたいと思うところです。
2015.01.16
2014.12.26
丸亀の裁判所も私の準ホームグラウンドの裁判所といえます。高松地裁本庁のように日常的に出入りするわけではありませんが、私が丸亀高校の出身で、高校時代は裁判所の横を通って通学していたこともあって、地元意識が強いのかもしれません。裁判所を出ると、丸亀城の美しい石垣や天守閣を見渡せるのもこの裁判所の素晴らしいところです。
この裁判所の法廷で特徴的なのは、当事者席と証言台との近さです。法廷には、奥の雛壇に裁判官席、向かって左側に原告席、右側に被告席があり、原告席と被告席の中間に裁判官と向かい合う形で証言台が設けられているのですが、法廷が狭いせいなのかどうなのか、とにかく原告席・被告席と証言台とが手が届くほどに近いのです。
普通の法廷だと、証人に証拠資料を示しながら尋問するときなどは、資料を手に持って証言台のところまで歩いていき、証言台の横で質問するのですが、丸亀の裁判所だと当事者席から証人に資料が示せる感じの距離感なのです。この距離感は貴重だと思います。
実は、丸亀の裁判所は、近い将来建替えが予定されています。建物が新しくなってしまうと、おそらく法廷も全国の標準サイズに統一されてしまうと思います。全国の弁護士先生方には、そうなる前に、是非一度この距離感を体験してもらいたいと思うところです。
2014.11.25
先日、鳥取市で開催された中国5県収用委員会連絡協議会に出席してきました。中国地方5県の収用委員会の連絡協議会なのですが、四国4県の収用委員会からも出席して、全9県の収用委員会の代表者が一堂に会し、更には国土交通省の担当者も出席していした。
鳥取へは、高松からでも、マリンライナーで1時間、岡山から鳥取行特急で2時間の合計3時間がかかりますが、四国の他の3県からはアクセスだけでも大変だったと思います。
協議会では、予め提出されていた3題の協議議題について意見交換が行われました。他県の実情を知り、また意見交換を行うことは大変有意義なものでした。夜の懇親会は、今が旬の松葉ガニづくしの料理でした。とにかく新鮮、しかも安い。参加者一同大満足の懇親会となりました。
翌日朝、鳥取城址跡の久松公園付近を散策しました。鳥取地方裁判所はここからほど近い場所にあります。私はこれまで2回、この裁判所で口頭弁論を行ったことがあります。電話会議システムによる弁論準備手続きが一般化した現在では、遠方の裁判所へは証人尋問の時くらいしか出頭しなくなくなりましたが、またこの裁判所で弁論する機会があればなあと思います。できれば、カニが旬の11月に。
2014.09.30
松山地方裁判所には、松山本庁のほか、大洲支部、西条支部、今治支部、宇和島支部の4つの支部があります。西条支部は、地理的に香川県に近いこともあって、他の支部に比べると、香川県の弁護士もよく利用する裁判所といえます。
この裁判所がお堀に面し、ロケーション的に素晴らしいことは、以前にこのブログに書いたとおりです。
もう1つ、西条支部が特徴的なのは、法廷のあるフロアーです。裁判所の入り口付近に法廷の案内板があるのですが、そこには「地裁○号法廷 3階半」と書いてあります。「半」とは何ぞや? 誰もがそう思うのではないでしょうか。階段を上っていくと、3階と4階の間に中2階のようなフロアーがあって、そこに地裁の法廷が2つ設けられています。これにはびっくり。こんな法廷は全国的にも珍しいと思います。
西条支部は既に耐震改修工事も終わっているので、安易に建て替えをせずに、是非この貴重な建物を守っていってもらいたいと思うところです。
2014.09.02
残念ながら事件のために訪れたものではなく、今年の夏のゴルフ遠征の際に、立ち寄ったものです。高松地裁同様、ここでも耐震改修工事が行われていました。
さて、札幌地裁にほど近い大通公園の中に、旧札幌控訴院の建物がありました。大日本帝国憲法下の司法制度における第二審の裁判所です。資料によると、戦後も20年以上にわたり札幌高等裁判所として使用されていたとのことです。
今は札幌市資料館となっているのですが、正面玄関の上部には「院訴控幌札」と刻まれており、建物内の一角には当時の刑事法廷が復元されていました。法廷には審理スペースと傍聴席を隔てるバーが設けられていますが、バーの内側(審理スペース側)に新聞記者席が設けられていたのには驚きました。それなりの時代背景があったのでしょう。
高松も全国に8ヶ所ある高等裁判所所在地の一つであり、かつては高松控訴院があったのですが、その建物は現存していません。札幌控訴院のような文化的にも貴重な建物が残っていることは素晴らしいことであり、これを保存保全していくことは現代に生きる我々の責務のように思うところです。
写真は、左が札幌地方裁判所、右が旧札幌控訴院です。
2014.05.30
家庭裁判所と簡易裁判所が同じ建物に入っているのは、両方とも調停を行う裁判所という共通点があるからです。高松の場合、4階建ての家簡裁庁舎となっており、1階で損害賠償や建物明渡等の民事調停(簡易裁判所が担当)が行われ、3階で離婚や遺産分割等の家事調停(家庭裁判所が担当)が行われています。法廷と審判廷は2階におかれています。
私は、かつて、この建物の簡易裁判所の裁判官室に週1回通っていたことがあります。弁護士の身分を持ったままの非常勤裁判官として、1週間に1日だけ裁判官室のデスクで執務していたのです。私が担当していたのは民事調停ですが、民事調停は、裁判に比べ簡易迅速で、費用も掛からず、事案に即した解決ができる点で、本当にいい制度だと感じているところです(もちろん、調停になじむ事件であることが前提となりますが。)。
当事務所では、調停事件についても代理人をお引き受けしており、その場合は、弁護士が調停期日に同席して、必要な主張や反論を行うことになります。調停事件についても、お気軽にご相談下さい。
2014.04.30
高松地方裁判所は、私のホームグラウンドの裁判所です。私は、司法修習生時代の実務修習も高松地方裁判所の配属でしたので、この建物の地裁民事、地裁刑事の各裁判官室で実務修習を受けました。弁護士登録後も、25年にわたり裁判等のためにこの建物に出入りしてきました。考えてみると、裁判官は3年程度で転勤していきますし、裁判所書記官や事務官も同様に定期的な移動がありますので、継続して最も長く同じ裁判所に通い続けるのは地元の弁護士かもしれません。
一昔前、弁護士会は自前の会館を持っておらず、裁判所の弁護士控室に事務局を置いていました。そんな関係もあり、昔は、多くの弁護士が日常的に裁判所の弁護士控室に出入りし、特に裁判の前後などには必ず立ち寄っていました。そして、そこでいろいろな情報交換をしたり、法律上の論点などについて議論したりしていました。お昼の食事時なども、まずは弁護士控室に行って、そこで誰かを誘って食事に行ったりしていたものです。
今では、かつての弁護士控室は場所も変わり、また名前も「代理人待合室」と変わって、裁判の前後にこの部屋に立ち寄る弁護士も少なくなってきましたが、私としてはさびしい限りです。
高松地方裁判所は現在耐震工事中で、覆いがかけられています。それでは見栄えが悪いので、5年ほど前の桜が咲いている写真をアップしておきます。
2014.04.25
平成26年3月をもって弁護士登録満25年が経過し、4月から26年目に入りました。四半世紀にわたり弁護士生活を送ってきたことになります。この間、全国各地の裁判所で口頭弁論や証人尋問を行ってきました。これを一つの節目として、これまで赴いた裁判所について振り返ってみたいと思います。
まず1番目には、最高裁判所のことを書いておきましょう。最高裁判所に上告や上告受理の申立をすることはあっても、最高裁判所に現実に出頭することはほとんどありません。最高裁判所では、高等裁判所の判決を破棄して、結論を逆転させる時しか、そもそも口頭弁論が開かれないからです。それ故、最高裁判所に出頭してその法廷に立つ機会自体が非常に少ないのです。
弁護士であれば誰もが、自分が書いた上告理由を最高裁判所が容れて、最高裁判所での逆転勝訴判決を勝ち取りたいと思っているのではないでしょうか。最高裁判所の法廷に一度も立つことなく弁護士生活を終える弁護士も少なくないと思われます。
私はこれまで2回最高裁判所の法廷に立つ機会に恵まれました。最高裁判所での戦績は1勝1敗です。地方裁判所勝訴、高等裁判所勝訴、最高裁判所逆転敗訴の事件(これには今でも納得がいきませんが。)と、地方裁判所勝訴、高等裁判所逆転敗訴、最高裁判所再逆転勝訴の事件でした。何とか少なくともあと1回は最高裁判所の法廷に立ち、最高裁判所で勝ち越した状態で弁護士生活を終えたいと思っているところです。